「VR Tech Tokyo #6」に参加してきた感想

今回は2017年3月19日に開催された「VR Tech Tokyo #6 @ Microsoft」に参加してきた感想になります。(すいません、半分ぐらいメモ的なものになってしまいます。)

まず、「VR Tech Tokyo」とは、VR<仮想現実>、AR<拡張現実>とMR<複合現実>など「ヘッドマウントディスプレイ」関係を全部まとめたコミュニティになっています。
こちらとしてもすべての「ヘッドマウントディスプレイ」関連の最新情報を入手できるということで、今後も追っていきたいと考えています。
※ちなみに満員だったのですが、「ブログ絶対書く枠」という参加枠が残っていたので、なんとか参加できました。

セッションの概要と感想

・「WindowsはAR/MR/VR/HDRの夢を見るか?」日本マイクロソフト(株) 鵜木さん

こちらは、残念ですが参加できませんでした。今後、スライドの公開があればぜひ確認したいと思います。

・「AirtoneVR事例 既存の面白さ+チャレンジのゲームデザイン」(株)ヒストリア 佐々木さん

実際にゲーム会社として、VR(OculusRift)のゲーム開発をされて、その作るためのノウハウを聞くことができました。
ゲームコンセプトとして、マネタイズするために10時間以上遊べるコンテンツを目指したそうです。

目標:
VRなので、背景を広く見渡すようなVRらしさを出したい。
ダイナミックな体の動きをさせたい。

課題点:
OculasRiftは視野角110度まで、人間は180~200度

視線誘導案:
・段階による誘導
・UIによる誘導
・音による誘導 → 音ゲーなので無理

対策結果:
視界の狭さは、音ゲーの判定線を見えない位置にすることで対応、比較的違和感もなかった。

判定位置の工夫:
・手の位置がわかるリング
・手が触れた線が揺れる

チャレンジ:
ジェットコースター系のコンテンツを参考にして視線誘導。
キャラクターをゆらゆら飛ばすことで、視点を固定させない。
ドローパートの採用(別空間でドローパートは実施)でゲームの緩急やダイナミックな動きをさせることができた。

まとめ:
やはり新しいゲームジャンルを作ることは難しい。
そのため、ゲームとしてはVRならではのチャレンジのしどころを作る。

VRでは、やはり視野角の少なさを頑張って克服しなければならないというのがよくわかりました。

「VR/AR/MR/Hologramを非ゲーム系で社会実装するコツと落とし穴」Holoeyes(株)杉本 真樹

VRでは、ほかの人が取り残される → MRでは位置を共有できるので、Hololens装着者で共有することができる。
CTスキャンデータの3Dデータを空中に表示させて拡大させながら、打ち合わせして情報共有している。
Hololensなら、視界を塞がないので装着しながら手術をすることもできる。
実際に実施されていて、血管や患部がその場で確認・共有でき、手術時間も患者の出血も減った。

社会実装を目指す:
なくてもいいが、あったら社会全体の役に立つことが実現できる。
※実際にこういったことが技術力よりも評価されて、VRクリエイティブアワードで表彰された。

VR用の360度動画で一体感を共有:
ジンバル(スタビライザー)とシータを使った360度動画は地平線がぶないので、プロっぽい絵が取れる。VRはやはり室内に限られる。

SXSWでイベント展示:
狭いイベントブースで展示となったが、Hololensなら展示ブースの広さは関係なく展示やアピールができた。Windowsでリアルタイム録画をして動画公開。それに興味を持って多くの人が来場してくれた。
イベント展示では、ウエットティッシュ必須(汗や化粧への対策)

VRのツールに関して:
VRは、3D素材があれば、OsiriX(オザイリクス)で無料で簡単にOBJファイルに変換が可能。(※Macでしか動かない。)
作ったファイルを「VR OBJ Viewer」で簡単に見ることができる。

VRとは、感覚を刺激すること:
人間にない感覚(蛇やコウモリなどの温度や超音波の感覚)を取得して、再現できるかもしれない。

まとめ:
Hololensは、多人数(80人以上)でも共有できる。
手術室ではすでに行われていて、おなかを開けなくても、患部の位置を重ねることができる。
非エンタテイメント系でもかなり積極的に取り入れることができる。

Hololensの可能性は感じていましたが、すでに医療現場(特に手術室)で利用していることにはびっくりしました。(衛生面の問題はどうなっているんだろう)
コントローラーを使わない制御も、やはり現場ではかなり必要だと実感しました。

10min Short Talkの感想

「VR開発しくじり先生 ~OculusStoreにリジェクトされるのが得意なフレンズなんだね~」

Ocurus Storeで3つ申請して、2つリジェクトされた。(KeyOnlyが1つ)

原因:
・FunctionTest→不正起動でリジェクト(API踏んでなかった)
・GraphicTest→90FPSに達していない(アプリ常時45FPSはNGらしい)
・木のテクスチャが負荷になっていた。
・ゲームとして成立していなかった?(推測)

Ocurus Storeのレビュー申請の流れや、失敗談が参考になりました(笑)

「この「〇〇×VR」 相談事例に可能性を!」

実績:
ニコニコ生放送「VRわらいのホラーダンジョン 」
課金でドッキリオブジェクトが発動できる。5万PV

相談事例:
「パチスロxVR」
「新車試乗xVR」
「AIBotxVR」
「マーケティングxVR」

結果:

相談(可能性)は結構はあるけど、なかなかすぐにお金にならない。(注:個人レベル)
※ちなみに中国ではVRゲーセンが結構あるらしい。

「日本列島VRとHoleLenz」

衛星写真を買うと高いので作ってみた「日本列島VR」:
※Google Earth VRと対比されて光栄だったらしい。

いろんな苦労:
・国土地理院データ(Xmlファイルで160GBだった)これを3D化
・Unity Terrain 155個並べる。

作った結果:
・実景と比較しても再現性がよかった。
・季節感や昼夜、積雪量も変えることができる。

使われ方:
・地図としてではなく景色を見たい。
・空を飛ぶ。
・自分の住んだ地域を確認。

課題点:
・酔い対策として、低空は速度制限。
・写真ではないので、低空に弱い。(レンダリング速度やテクスチャ)
・広域での精度の問題。

壁に穴をあけるアプリ「Hololenz」:
ダウンロードは800(+海外100)程度。
ARのボールを外に投げることや、AR物体が仮想の穴から落ちるなど、なかなかおもしろい。
厚みや面取りなど、現実と馴染むように調整して現実感を持たせている。
※「Hololenz Gate」では、通り抜けフープが2つ!

「VRをビジネスとして成立させる」

VRアプリ「恐竜戯画」:
親子で楽しめるコンテンツ → 住宅展示場での客寄せなど
変なホテル → コンセプトが恐竜
引き合いがあったが、小学生への影響が懸念。

VR筐体「BLASTxBLAST」:
200万で導入可能でネットカフェなど導入実績あり。1プレイ500円でプレイ時間6分(1週間10万ぐらい?)
説明が要らない、直感的で、老若男女楽しめる、繰り返し楽しめるなどといったことが必要。(特にオペレーターいらないのが望ましい。)

メインは建築・建設なので、「Virtual Model Room」を開発:
→でも採算が合わない。
→顔に触れるのがイヤ
→おもちゃっぽい。
→やっぱり酔う。
→子供が体験したがる。

建設プロジェクト全体での広告宣伝費は5%程度。
建設費をうまく使ってもらえないか。
→設計支援、施工シュミュレーション、人材育成

「現場施工研修など教育システム」:
研修費として出張費や宿泊費は意外とかかる。
高所や機器の取り扱いの事故防止など。(なかなか再現できない場所や機器など)

「VR自転車交通安全教室」:
ドライバ視点も体験してもらえる。
→現実にコストをかけた体験会を置き換えていく

すでに製品化や収益化されているAR技術の話が多く、なかなか興味深い内容でした。
技術ブログも公開されているようですので、ぜひ参考にしたいと思います。

「VRコンテンツと連動して、匂いが出るVRデバイス”VAQSO VR”」

匂いが出るVR機器:
スニッカーズサイズのデバイスで、事前にセットした3種類の香りを出すことができる。
OculusやVive、PSVRにもマグネットでシンプルに取り付けることができる。

B2C向け:薬莢の火薬の香りなど(既存に開発済みの香り)
B2B向け:実際の食品の香り(実際の食品など、開発して提供が可能)

コンパクトで面白いと思いました。実際には同じ香りでは長く実感できないということなので、一瞬一瞬や別の香りを交互に出すなど、アプリ側の工夫も必要なようです。

体験会(懇親会)の参加

メガネスーパー社より新しいデバイス「b.g.」(試作品)が展示されていました。
パッと見でGoogle Glassのような感じのデバイスなのですが、両眼になっているため長時間違和感無く装着できるそうです。
実際に装着した感想としては、遠近両用メガネの下半分にスマホの画面が見えるようになっているような感じでした。
今のところメガネ部分と画面部分の境目がはっきりしており、視線がさえぎられる感じもありましたので、歩行には向いていなさそうでした。
デモの紹介ムービーではかなり凄いことがアピールされていましたので、今後の開発に期待したいところです。

さすがに人気の展示では参加者の行列ができていて、他の体験はあまりできませんでした。(運営も大変でしょうから、整理券など配ったほうがよかったかもしれません。)
※懇親会のピザも並んでいる間にすべて無くなっていました(泣)

全体の感想

最新技術ですので、皆さんの人柱的な意見が聞けてありがたく思いました。
やはりVRやMRなどはまだまだ高価ですので、一般への普及を目指すには研究や趣味目的だけではやはり普及しません。実際のビジネスに役立てて、需要の掘り起こしをして大量生産がうまくされないとなかなか普及は難しいでしょう。
一気に「社会実装」とまでは行かないかもしれませんが、徐々にでも身近に浸透していければと願います。
※PSVRは娯楽用の専用機となり、流用がされづらいので除外しています。

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