「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」を映画館で鑑賞してきました。
個人的なストーリーの感想としては、ソードアート・オンラインの総決算となる内容で、満足のいく内容でした。(※ゲスト声優以外)
今回は「オーグマー」(AR<拡張現実>型情報端末)というAR機器があるのですが、こちらの見た目的には、ネックバンド型ヘッドセットで機能的には「Hololens」(MR<複合現実>型端末)といったものになっています。
※ちなみに物語を通してAR<拡張現実>と表現していますが、自分はこの分類だとHololensのような機器のMR(ミックスド リアリティ)<複合現実>に含まれると考えています。(主観視点で、拡張というには拡張範囲がさすがに壮大すぎるため。)
Hololens(ホロレンズ)で実現できるか?
さすがにあのコンパクトさは無理ですが、MR<複合現実>機器の「Hololens」で可能かどうか検討してみました。
結果として、「Hololens」自体は視野が狭く同じとまではいかないですが、ある程度までなら再現が可能だと思えました。
「Hololens」の機能として、周辺物体の認識機能があります。(外部認識センサーがカメラと別にあり、物体をメッシュ化して認識する。)
ですが、あくまで近距離までになっています。(外部認識センサーが遠距離には届かない。)
それが「オーグマー」では周辺施設まで認識して、ビルなどの建物に世界観にあったテクスチャが貼られており、長距離まで認識範囲が及んでいるようでした。
この背景を世界観にあったように差し替えるようにするには、GPSなどで現在の位置情報を観測して、エリア内の場合に周辺の背景を囲う様に決められたテクスチャを準備しておくようなことをすれば、ある程度までは可能かもしれません。(進撃~の壁みたいな感じで。)
武器に関しては、スティック型<剣>やトリガー型<銃>コントローラーのBluetooth機器を使えば「Hololens」側で補足可能なので、これも再現できるでしょう。
もちろん、音声認識を使って「オーグマー起動!!」での変身も可能です。
あとはモンスターや自分や他のプレーヤーの着せ替えといった課題もありますが、テクスチャ能力と処理スピードさえ我慢出来れば、それっぽいものは可能でしょう。
※ちなみにバーチャルキャラの「ユイちゃん」はコルタナさんで我慢しておいてください。
ビジネスとの融和
ソードアート・オンラインの世界観でも、やはり広告ビジネスが起点になっていました。
飲料の自販機で、購入するとルーレットの画面が空中に3D表示され、当たるともう1本購入できるチケットがもらえるといった感じです。
現在は当たり付きルーレットなどの専用機器を取り付けることが必要なので、トータルコストとしては広告主もこういうのは悪くないのかもしれません。(まぁ、これはスマホアプリでも可能っぽいですが。)
ARの広告スペース貸しみたいなものもいいでしょう。現実では「看板貸します」みたいな広告スペースがあちこちに設置されていますが、それが複合現実のテクスチャで可能なら、コスト的にも安上がりでごちゃごちゃした看板の景観的な問題もクリアできます。
もちろんポケモンGoみたいに、コラボ企画などで地域でイベントを開催してゲームを盛り上げてることが出来るので、集客効果はかなり上がるでしょう。
また、武器や装備などのガジェットが特に親和性が高く、かなり有利に働くと思います。
ゲームで使えて、飾れるようなアイテムなら、コレクターとしてもついつい衝動買いしてしまうでしょう。
(ゲーマーライダーの「ガシャット」やWiiUの「アミーボ」のような感じの商品。)
例えば、もしMR<複合現実>ゲームでリアルな壁を塗れる「スプラトゥーン」があるとしたら、ローラーやバケツなどの専用ガジェットをお店で購入すれば専用武器を使える感じになります。
これなら、より世界観やゲーム性が広がり、楽しめると思います。
今後の実現性と危険性
ソードアート・オンラインでは、脳に影響を及ぼすような機器を利用して、仮想世界の認識をさせています。
以前の「ナーヴギア」(VR<仮想現実>型情報端末)では、触覚などを完全にシャットアウトしています。
さすがにここまで行くと、脳を電脳化(マイクロマシン注入)して電脳コネクタを取り付ける「攻殻機動隊」のような世界にならないと難しいでしょう。
VRだと、現実とは別なんだという意識を持ってゲームを始めますが、「オーグマー」やMR<複合現実>の世界だと、いつの間にか仮想現実が現実世界に登場します。
子どもなどの信じやすい精神状態だと、現実世界との境目を見失う場合もあるでしょう。
やはり、こういったデバイスはあくまで補助的な使い方が推奨されます。
ポケモンGoでもありましたが、画面(仮想キャラクター)を追いかけて事故にあうなど、現実での安全性も考慮しなくてはならないでしょうし、特に仮想キャラやアイテムで現実の視界を遮ってしまう、またはテクスチャで覆ってしまう仕組みのため、何かしらの対策や注意を喚起する仕組みが必要になるでしょう。(自動で透過や中断することや、アラート機能など。)
まとめ
現実世界では「オーグマー」はありませんし、MR<拡張現実>機器も一般的には普及されていません。
現時点ではまだまだ実験段階という印象が強い、MR<拡張現実>なのですが、「Windows Mixed Realty」も始まって安価な端末も出てきそうですので、もう片鱗なら見る準備ができています。
なので、有志が「オーグマー」っぽい世界を頑張って再現してくれることを切に願います。