今まで「Windows Holographic」として「Hololens(ホロレンズ)」を開発・提供していましたが、今後は「Windows Mixed Reality」と呼ぶように変更されました。
Microsoft renames Windows Holographic to Windows Mixed Reality(英文)
まず、「Mixed Reality(ミックスド リアリティ)」<複合現実>とは、単純な「AR」<拡張現実>とは異なり、現実世界の物体を「AR」<拡張現実>の空間に認識させることによって、より現実世界に近い表現をすることが可能になっています。
従来の「AR」<拡張現実>の場合では、「Pokémon GO」でもわかるとおり、マーカーを起点として表示するだけなので、すぐ現実の物体と表示がかぶさって(めり込んで)しまって違和感が出てしまいますが、「MR」<複合現実>ではピカチュウを地面を歩いて散歩させたり、実際の物体の裏側にちゃんと隠れた表示がされるようになります。
たとえば壁を認識させることが出来ますので、その壁に対してさまざまなテクスチャ(2D)が貼り付けられたり、仮想物体(3D)が配置できます。
そのため、壁の模様替えが出来るのはもちろん。仮想の窓や水槽なども壁に設置することも簡単に出来てしまいます。(どの角度でも見れますし、裏側はもちろん壁です。)
また、ただの喫茶店でもテーブルを着せ替えれば、アッという間に昔懐かしのゲーム喫茶にすることも可能でしょう。
※ちなみに現在公開中の「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」では物語を通して「AR」<拡張現実>と表現していますが、この分類だと「MR」<複合現実>に含まれるでしょう。(未来ではそうかもしれませんが、拡張というには拡張範囲がさすがに壮大すぎます。)
感想
「ホログラフィック」というキーワードは、現実の中に仮想の世界を投影して表示させるイメージが強く、特に端末が無くても誰もが仮想物体を見れる(触れない)状態のような気がしてしまいます。(こういった端末ももちろん研究しているとは思いますが。)
ですが、今回「Mixed Reality」<複合現実>という新しいキーワードになることで、より範囲が狭まり具体性が増しました。
さらに先日(2017年3月1日)の「Game Developers Conference」(GDC)の発表で、2017年中にAcerをはじめASUS、Lenovo、HP、Dellなどの有名なサードパーティ製の端末の提供がされると予告されています。
パッと見た感じではサングラスタイプではないため、現実に重ねるというよりも「VR」<仮想現実>寄りの端末でモニターに現実を組み合わせて投影するタイプと思われます。(なので、酔うかもしれない。)
※見た目かなりそれっぽいです。サイクロプス(X-MEN)のようにカッコよく装着できればいいですが。
2017/5/13追記
「Build 2017」での展示での情報ですが、Acerの端末はやはり「VR」<仮想現実>寄りの端末だったようです。
USB3.0を使ったPC接続型で、前面の2つのカメラを使って位置情報を認識しつつフルダイブするようです。低価格のため、「HoloLens」と違ってPCとの有線接続が前提なのは残念ですが、もしかしたら従来のOculusなどのVRソフトも普通に利用できるかもしれませんので、これは期待していいでしょう。
気になる価格は、Acer製が299ドル、6軸モーションコントローラーのセットは399ドルの予定とのこと。
ヘッドマウントディスプレイスペック:
1440×1440ドット/90Hz液晶、視野角95度、フロントヒンジ付きフリップアップ可
PCの推奨スペック:
CPU:デスクトップ向けCore i7(6コア以上)、またはAMD Ryzen 7 1700(6コア以上)
メモリー:16GB以上
グラフィック:NVIDIA GTX 980/1060、AMD Radeon RX 480(2GB)
まとめ
子供のころに空想していたような未来が近づいてきました!
「HoloLens」の技術はオープンソースにより各社に技術共有が既にされています。こういった技術が加速して具現化(製品化)されていくこと、どんどん未来が近づいてきています。まだ開発者向けの製品ではありますが、これは「Windows Mixed Reality」の今後が楽しみです。